全国的に、春の訪れが早いとされる今年。
例年、3月初旬までは雪寄せ作業が必要な藤里ですが、
今年は、2月いっぱいで雪のシーズンは終了となりました。
とは言え、ここは北東北。
3月中は、その日にもよりますが、防寒着の手放せない寒さが残ります。
ストーブも朝から晩まで常時稼働しており、移住後数年、
季節のペースに慣れないうちは、この寒さはまだ冬だな…と感じていました。
昼間、薄着で過ごせるほど気温が上がっても、夜うっすら雪が積もることがあり、
1日の中での寒暖差は想像以上に大きく、用心が必要です。
夜積もった雪が、朝日で一気に解けて、霧が出ることも。
このように冬モードから春モードに切り替えていいのか、
判断が難しい3月ですが、それでもやはり、
1~2月の厳冬期は終わったんだなと感じるのは、
日差しの暖かさと白鳥たちの存在です。
暖かい日差しで田んぼの雪が解け、土がうっすら見えるようになると、
南で越冬していた白鳥たちが藤里にも訪れます。
また、どこからともなく聞こえてくる白鳥たちの声を頼りに、空を見上げることも多くなります。
冬の間、寒さで肩をすぼませ、転ばないように下を見て歩いていた私たちに、
「冬はもう終わりだよ、空を見上げてごらん」と呼び掛けてくれているようです。
こうして三寒四温を繰り返すうちに、本格的な春が近づいてきます。
藤琴川で羽を休める白鳥たち
文=佐々木絵里子
佐々木絵里子(ささきえりこ)
わたす研究所・代表。埼玉県出身で、結婚を機に藤里町に移住して10年弱。小学生と保育園児の2児の母。