藤⾥のお⼟産といえば
まいたけ、クレソン、ラム⾁、⼭菜などたくさんありますが、
廃棄されていた⾷品の残渣(ざんさ)をアップサイクル利⽤して
商品開発したお菓⼦が誕⽣しました!
その名は、「⽩神⼭地ワインパイ」。
ふんわりサクっとした⾷感のパイの中に
ワイン製造時に発⽣する“パミス”を利⽤して作ったあんが詰まった⼀品です。
今回はこの商品の誕⽣秘話をご紹介します。
始まりは、地元有志が集まり
観光を切り⼝に町の可能性を考える「ふじさと観光会議」。
参加者の1⼈で町唯⼀の洋菓⼦店を営む「菓⼦⼯房エスポワール」菊地隆宏さんは
“年齢を問わず楽しめるお⼟産を作りたい”と発案します。
何度か集まって話し合いを進めていくと、
商品開発の知⾒があるメンバーから
「⽩神⼭地ワイン」の“パミス”を使えないかというアイデアが出ます。
「⽩神⼭地ワイン」は、藤⾥町が企画をして
「株式会社アルビオン」の一施設である「ALBION Shirakami Vineyard & Winery」が
醸造している町の特産品で、
100%町内で製造されたヤマ・ソービニオンというぶどうを使った⾟⼝の⾚ワイン。
このワインの製造過程で、ぶどうを圧搾するときにできる搾りかす“パミス”です。
これまで町で育ったぶどうは、
果汁はワインに、種⼦は化粧品の原料になるために研究材料として活用されていましたが、
パミスだけは廃棄されていました。
これをお菓⼦の素材「プレミアムパミス」として活⽤することができれば、
⾷品ロスを減らすことができます。
社会的な意義も⽣み出すことができるとメンバーで話し合い、
パミスを使った試作品を、エスポワールから提案することになりました。
菊地さんに、試作時のお話を伺いました。
「試作は、幾度となく繰り返しました。4⽉の下旬からは頻度も上がり、毎週試作を⾏って
は、メンバーに⾷べて意⾒をもらい、また改良してという⽇々が続きました」。
お⼟産品なので、⽇持ちがすることと、常温で置いておけることは必須。
また、パミスのプチッとした種の⾷感と芳醇なぶどうの⾵味を活かすためにどうすれば良
いか試⾏錯誤を重ね、辿り着いたのはアーモンドクリームだったそう。
「素材の旨味や濃厚さを表現するために何かないかと模索し続けて、
アーモンドクリームとの相性が良いことを⾒つけました。
試⾷してもらった時のメンバーの反応も良くて安堵しました」と菊地さん。
エスポワールのお店のコンセプトは、“家族が安⼼して⾷べられるものを”。
今回も⾹料や着⾊料は使⽤せず、お⼦さんなども⾷べられるように、アルコールは製造⼯程
で⾶ばしているそうです。
町内のイベントにて広く地元の⽅々にも試⾷してもらったところ、
⼩さなお⼦さんも「⾷感がおもしろい」と⾔いながら喜んで⾷べてくれたそう。
藤⾥の⼈たちがスキルや知識を持ち合わせて完成させた
おいしく⾷べることで、循環型社会をつくることにつながる商品です。
⽩神の麓で暮らしているからこそ、
環境問題などを⾃分ごとと捉えて、
⾏動できる⼈たちがいます。
想いが詰まった、
みんなにやさしい、おいしいお菓⼦、
ぜひ、召し上がってみてください。
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販売開始:2025年1⽉4⽇
販売場所:菓⼦⼯房エスポワール、森のえき、道の駅ふたついなど。
販売価格:180円(税込) 6個⼊りセット 1250円(税込)
問い合わせ先:菓⼦⼯房エスポワール(リンク:https://shirakami-espoir.jp)
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⽂=根岸那都美
根岸那都美(ねぎしなつみ)
わたす研究所・副代表。宮城県出⾝、東京から藤⾥に移住して9年。個⼈で営む「初恋デザ
イン」との兼業。