移住検討中のみなさんから一番聞かれるのは、雪に関すること。
わたけんコラムNo.5では、初級編として雪寄せグッズをご紹介しました。
今回は、毎日の生活がどんな感じになるのかをご紹介します。
雪国では冬になると、雪のことを毎日考えるようになります。
例えるなら、食べ盛りの子どものいる親御さんが、
「今日の晩ご飯どうしよう」と考えるのと同じ感じです。
毎日の家事に大きなタスクが1つ加わり、冷蔵庫の中身を確認するように
天気予報や空模様を確認しながら、その日どうするかを考え動いていきます。
雪寄せ範囲が広いと、家庭用除雪機が必要に
雪寄せのタイミングは、朝早起きして、という人が圧倒的に多い印象です。
藤里は早起きの方が多く、5~6時頃から作業する音が聞こえてきます。
人によっては、夜、食後の運動も兼ねてやる、という人も。
15分、30分と時間を見つけて、コツコツと片づけていきます。
屋根の雪下ろしなどは、シーズン中に数回、休日にまとまった時間で行います。
また、仕事で職場の雪寄せ作業が必要という人もいて、
雪と戦う日々が続きます。
わたけんオフィス、屋根の雪下ろし中
ここまで聞くと、大変さばかりがイメージされる雪対応ですが、
よいこともあります。
誰にもどうしようもないことで、みんなが同じように大変になるので、
ご近所さんなど、周りの人たちと励ましあいながら進めます。
向かいのお母さんが「がんばりましょう!」と声を掛けてくれたり、
隣のお父さんが凍って開かない流雪溝のフタを開けてくれたり、
知り合いが車のスピードを緩め、労をねぎらってくれたり。
人のやさしさに触れ、町の人たちのことを知ることができます。
また、普段はあいさつ程度しかしない町の人と、
雪が共通の話題になり、会話がスタートすることもあります。
道端では、スノーダンプを持ったまま手を休め、
立ち話をする姿をよく見かけます。
多くの人が車を使う藤里では、少なくなった光景です。
1人でやると辛いけど、2人ならあっという間
1人で抱えず、家族と協力したり、近所の方々にタイミングやコツを聞いたり、
コミュニケーションを取って進めることが、この時期を乗り切るコツかなと思います。
身体を動かすよい機会と捉えて、今年ももう少し、がんばりたいと思います。
文=佐々木絵里子
佐々木絵里子(ささきえりこ)
わたす研究所・代表。埼玉県出身で、結婚を機に藤里町に移住して10年弱。小学生と保育園児の2児の母。