FUJISATO LIVING COLUMN

  • 暮らしのツボ
  • 2023/06/23

山に囲まれた地域に移住したなら、楽しみたい山菜料理。

目利きが必要だったり処理にコツがあったり、難しいのでは?と思いがちですが、

中には、思いのほかシンプルに調理できる食材もあります。

 

以前、わたけんコラムNo.13でご紹介した「タラの芽」もその1つですが、

今回は、こちら、根曲竹(ネマガリダケ)をご紹介します。

   豚汁の要領で調理したタケノコ汁。子どもたちも大好き!

 

 

 

「タケノコ」と言ったら、全国的には孟宗竹(モウソウチク)のことを指しますが、

孟宗竹はこのあたりには生えておらずあまり馴染みがないようで、

みなさん、この根曲竹のことを「タケノコ」と呼びます。

 

根曲竹は藤里や秋田だけでなく、北海道から山陰地方まで広く食べられており、

地域によっては姫竹(ひめたけ)など、別の名前で呼ぶ場合もあるそう。

このあたりでは5月の短い期間が旬ですが、名人レベルになると、

水煮や缶詰にして保存し、年間を通じて楽しんでいます。

 

 

 

下処理の済んだものを入手できると、そのまま調理ができてラクですが、

ついさっき山から採ってきて、土がついたままの状態のものを頂くこともしばしば。

せっかく頂戴した春の恵みを無駄にしないよう、下処理方法をご紹介します!

①じゃぶじゃぶ洗って、簡単に土を落とし、

 

②身の入っていない先端部分を斜めに切り落とし、

 

③皮付きのまま湯がく。皮が鮮やかな緑色になったらOK。

 

 

名人曰く、湯がく前に皮をむいたほうが、本当は鮮度が保てていいそうですが、

ごくまれに小さな虫が住んでいることがあり、チクンとかまれてしまう恐れも。

皮の状態を見て、虫のいるいないを判断できる人もいるそうですが、

初心者には難しいですよね。なので、皮付きのまま湯がいてしまう。

目利き力がなくとも、下処理できるようにするポイントはここです!

 

④水で冷ましたら、節に沿って皮むき。湯がくと、皮が柔らかくなって剥きやすい。

 

⑤最後は、指で押して固い節を切り落として終了!

 

⑤の節取りは、実際の様子を見ないと分かりにくいかもしれませんので、

インスタグラムに投稿した動画を合わせてご覧ください。

 

下処理終了。先端のないコロンとしたものは、切り落とした節と節の間の部分。

 

左から順番に、皮付き、皮むき後、節取り後(食べられる部分)、節の部分(捨てる部分)。

 

皮付きだと太く長く大きく見えますが、下処理後は思ったより細く小さくなります。

名人曰く、「こんたに採ってきても、こんけばりにしかならねぇったよ」

(=こんなにたくさん採ってきても、このくらいにしかならないんだよ)とのこと。

お椀いっぱいに盛られたタケノコ汁が、ご馳走であることが分かりますね。

 

 

 

下処理は、慣れるまで多少時間がかかるかもしれませんが、

黙々と作業すると、頭がスッキリしてストレス解消になるという人も。

採りたてが手に入るのは毎年ほんの短い期間ですので、

季節の行事と捉えて、ぜひチャレンジしてみてください!

 

 

 

文=佐々木絵里子

 

 

佐々木絵里子(ささきえりこ)

わたす研究所・代表

埼玉県出身で、結婚を機に藤里町に移住。町役場および地域⼥性陣との協働プロジェクトを経て、2022年わたす研究所として独立し、地⽅における柔軟な働き方のしくみづくりに取り組む。2023年より一般財団法人 KILTA(キルタ)理事も兼務。小学生と保育園児の2児の母。

 

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