せっかく地方に移住したならば、その地域ならではの料理に挑戦したい!
けれど、あんまり手間がかかるのは……。
そんなあなたにおススメな食材がこちら、秋田が誇るハタハタ(鰰)です!
12月が近づく頃に、「季節ハタハタ」と呼ばれる最盛期がやってきます。
初物を出すと「今年も来たな~」とうれしそうな声が。
ハタハタは、民謡「秋田音頭」の中でも名物として歌われるほど、秋田を代表する食材。
毎年季節を迎えると、「今年はもう食べた?」なんて会話がそこかしこで聞かれます。
藤里町は“海なし町”ですが、代表的な産地・八森まで車で1時間弱。
親戚・友人がいる人も多く、漁師さんから大量にもらってきたから「すけてけれ~」、と頂き物をすることも。
(注)「すけてけれ」という方言については、わたけんコラムNo.2をご覧ください。
魚なんて大量に頂いて、どうさばけば?!
大丈夫、ハタハタは深海魚で鱗がないので、家庭用の包丁とキッチンバサミで
処理が出来てしまうのです。
鱗取りや三枚おろしなんてできない私でも、頂いてうれしい魚となりました。
鍋の場合は、何の処理もいりません。洗ってお鍋に入れるだけ。
塩焼きも、洗って塩を振って焼くだけでおしまい。
「ブリコ」と呼ばれる卵がお腹に入っているメスが重宝されますが、
地元の人の中にはあえてオスを買うという人も。
頂き物の中には産卵後のメスも紛れているので、
我が家ではブリコ付きのメスは鍋や塩焼きですぐ食べてしまい、オスや産卵後のメスは保存しています。
保存用の処理方法を簡単にご説明します。
①包丁で頭をざくんっと取り、
②キッチンバサミでお腹を開き、内臓を出し、洗って、
③袋に入れ、塩麹や醤油で味付けをして冷凍保存。
あとは食べたいときに解凍して、グリルで焼くだけ。
クセのない味で骨もスルっと簡単に取れるので、我が家では子どもたちもパクパク食べてくれます。
藤里が誇る白神山地から海に注ぐミネラルたっぷりな水のおかげで、
産卵しやすい環境が維持されているからこその自然の恵み。
これからしばらく、ハタハタを堪能できる季節が続きます。
文=佐々木絵里子
佐々木絵里子(ささきえりこ)
わたす研究所・代表。埼玉県出身で、結婚を機に藤里町に移住して10年弱。小学生と保育園児の2児の母。