INTERVIEW 11

  • おもしろいなって思ったら、
    始めるんだ。

    2018-03-16

    • INTERVIEW 11

    リンドウ、良いよって。

    ずっと大沢に住んでる。神社の奥が、うちのリンドウ畑だ。家がもともと農家だったので、農業やろうと思ったときに、県からのプッシュで藤里町もリンドウやらないかっていう話があったの。最初に鳥海町を視察したときに、向こうの農家の奥さんたちがものすごくイキイキと話してくれた。「出稼ぎもやめた。間に合う。リンドウ良いよ」って。視察には14、15人も行ったんだけど、始めたのは俺も入れて3人だった。うちらが始めて7年になる。

    リンドウは仏花なので、お盆と彼岸。お盆前の時期だと高く売れる。それを過ぎてしまうと値段は十分の一以下にもなる。8月に入ると、お盆前までの期間で年間の三分の二を稼ぐ。9月の彼岸で残り三分の一。短期間の勝負なんだよな。お天道さま相手なので、ある意味ばくちだ。早く咲いてほしいなと思ったって咲かないし、まだ咲くなって思っても咲くときもある。まったく思ったようにはならない。最初に植えた株を新しい世代に移し替えるとこまで持っていって、初めてリンドウは成功と言えるかな。町でリンドウやる人、増えないな。3人から6人で倍にはなったけど。もともと稲作農家なので、田んぼもやってる。会社に勤めてるときも田んぼはやってた。稲作だけだと経営は厳しくて、リンドウでそこをカバーしている。

    皮がぱりんの雑穀・古代米。

    雑穀と古代米、産直で売ってるんだ。白米に混ぜて炊く。黒い古代米は色が出るので、赤飯にしたり。ポリフェノールとか入ってる。毎日食べてて、病気しないってことは健康にいいってことかな?だまっこ屋さんの赤いだまっこにも、使ってくれてる。給食センターでもたまに買ってくれる。産直や森のえきに出してると、何週間かに1回は供給しないと、必ずなくなる。何人かリピーターがいるみたいだよ。宣伝してないけど。

    古代米は、会社に勤めてるときに始めたんだ。会社の社長が「おまえもやってみろ」って言って、苗をもらった。食感おもしろいじゃない、こいつ。皮がこう、ぱりんと破ける感じする。色も出る。最初は黒い古代米だけだったけど、おもしろいなと思って雑穀米も始めた。他の趣味は、読書かな。推理小説大好き。冬場は2週間に4、5冊は買う。シーズン中は稲とリンドウしか見てないので、息抜きでオフシーズンに読む。本の中っていろんな場面があって、SFだったりすれば未来に行ったり、過去に戻ったりっておもしろい。手元の最後の1冊が残り少なくなると「やっべ~本なくなる」と思って、読み終わる前に次の本買って来たくなる。

    羊毛を地域のものにしたい。

    この前、藤琴で開いた羊毛フェルト教室。個人的にはやって良かったなぁと思う。来年もやるとすれば、もう少し広く知らせたい。楽しかった。

    羊毛フェルトを始めたのは、町にあるものを活用できればいいなと思ったんだ。何年か前に羊毛から毛糸を紡いだ人たちがいたらしいけど、加工とかにお金かかりすぎて廃れてしまったそうだ。自分でやって思うけど、きれいにしたり、量産するまでってなると大変なんだ。でも、せっかくあるものなのに、もったいないじゃない。だから、なんとかなればなぁと思って。羊年からだから、始めて2年目。羊毛と知り合った直後くらいに、娘が手芸店で売ってるキットを買ってきて、羊毛フェルト作ってあったの。「あ、これ。町の羊毛でやったらおもしろいな」と思って、羊のマスコットを作ってみたのが始まりだ。

    俺の羊毛の行き先は、毛糸にして、お年寄りたちがその毛糸で編み物できればいいな。町に原材料があるので、毛糸が地域のものになればな、と。目標はそこです。(聞き手・藤原)

    Interview / 菊地昇一さん

    昭和35年、大沢生まれ。建設会社に勤務し、農家を継ぐ。
    平成21年よりリンドウを栽培。平成26年から町の牧場の羊毛で紡糸・羊毛フェルト作りを始めた。
    期間限定で羊毛フェルト教室を開いている。
※聞き書きとは、「一人の話し手」に「一人の聞き手」が質問し、答えたものを相手の話し言葉(一人称)で表す方法です。